甲州市は、広大な山岳地帯や渓谷、人々の営みの中で培われた果樹園や農村地帯、歴史に彩られた建造物や文化資産などが美しく調和した魅力あふれるまちです。都心から、車や電車で1時間半というアクセスの良さも魅力です。春は、咲き誇る桜や桃のピンクにときめき、夏は、山々の新緑や渓流の青く澄んだ流れに癒されます。刻々と深まる秋は、紅葉の赤が神社仏閣の落ち着いた佇まいに色を添え、冬は、温泉の白い湯けむりと人の温かさが心にしみます。甲州市の四季の彩りを、あなたの目で眺め、そして肌で感じてください。
豊かな自然と恵まれた気候・風土を活かし、古くから果樹栽培が盛んに行われていた甲州市。ぶどう、もも、柿、ざくろ、りんご、栗、梨、そして銀杏(もしくは胡桃)は”甲州八珍果”と呼ばれ、すでに江戸時代には、人気の土産物であると同時に、江戸市場にも出荷されていたと伝えられています。なかでも人気が高かったのが甲州ぶどうで、収穫期には、ぶどうの籠を背負った馬が、列を成して甲州街道を江戸に向かったとのこと。明治初期、日本で初めて醸造されたワインの原料も、その甲州ぶどうでした。
今や、伝統を受け継ぎながらも、品種改良や栽培方法の進化によって、ますます美味しく彩り豊かになったフルーツ。早春のいちごに始まり、さくらんぼ、すもも、もも、ぶどう、そして大きな渋柿を軒下に吊るして作るころ柿と、1年を通して楽しめます。一方、醸造技術の発展と醸造家の情熱が生み出した珠玉のワインは、本場ヨーロッパでも高い評価を得るまでに成長しました。甲州市が誇る甘美なる大地の恵みを、存分に味わって下さい。
甲州市の周囲には、雄大な大自然が広がっています。筆頭は、日本百名山のひとつ、大菩薩嶺。ルートバリエーションに富んでいることから、初心者から上級者まで幅広く楽しめます。山肌では多くの高山植物が可憐な花を咲かせ、稜線を歩けば、富士山や南アルプスの見事な眺望が開けます。また、山梨百名山の笠取山や大蔵高丸は、四季折々の花で人気の山。とりわけ笠取山の初夏のしゃくなげや、大蔵高丸の初秋のマツムシソウの群落は有名。駐車場から徒歩5分でお花畑が広がる湯の沢峠や、大パノラマが広がる青梅街道沿いの柳沢峠も、気軽に自然と触れ合えるスポットです。
甲州市は、信玄公の菩提寺である「恵林寺」、勝頼公の菩提寺である「景徳院」をはじめ、風林火山でお馴染みの「孫子の旗」や日本最古の「日の丸御旗」を所蔵する「雲峰寺」、武田家代々の家督のしるしとされる国宝「楯無鎧」を預かる「菅田天神社」などなど、武田家と縁の深い社寺仏閣が数多く存在する、まさに武田の聖地。信玄公自身、当地を信仰の中心地として崇め、心の拠り所にしていたと伝えられます。